暑さもやっと一段落というところですね。
地震や台風で本当に大変な年です。
様々な事が良い方向に向かいうと良いのですが…。
今回は住宅を設計する際、
自分たちで決めている設計ルールのようなことを紹介してみたいと思います。
私たちが普段どんな事を気にしながら家づくりを考えているかを知って頂くことで、
今現在の住まいに不満を持っている方や
現在家つくりを考えている方の何かの参考になれば幸いです。
≪ご家族のこんな暮らしがしたいという要望≫
ここはどれだけ細かいお話を伺えたかによります。
お話を伺っている時はとても楽しいです。
夢がたくさんあってそこにどれだけ私たちの構想(妄想)が
乗せられるかにかかってくるような気がします。
≪方位や季節風などの気象的な事≫
アメダスのデータを元に地形的な条件や
周辺建物などから基本的な風の流れを予想します。
夏と冬、日中と夜間との風向きを参考にして基本的な窓の向きを検討します。
そして
風上と風下にできるだけ大きな窓を計画します。
風が通る家の基本形が決まります。
そして方位により太陽の取り入れ方を考えます。
冬の太陽は早い時間からたくさん取り入れたいですね。
≪街並みや道路の雰囲気、周囲の建物、周辺環境など立地的な事≫
街並みに調和する家が望ましいと考えます。
できれば家がそのまま見えるのではなく、
植栽を通すことで街と家との調和がとれます。
色や形や使う材料も街並みや周辺環境に合うように選択します。
≪植栽や駐車場、玄関アプローチなどの外構計画≫
街と敷地を繋ぐのが植栽やガーデニングの計画です。
私たちはこれをとても大切に考えておりこの部分が決まらないと
建物のプランが決まりません。
ここで家の性格が決まると言ってもいいのではないでしょうか。
シンボルツリーなどの候補もこの時に決まってしまいます。
≪そしてプランや仕組みなど建築的な事≫
植栽やガーデニングなどの基本計画を元に
部屋の中から見える景色やデッキの場所など、
一番良い場所を探していきます。
その素敵な場所に対して
出来るだけ開放的な暮らしができるように
建物のプランをふくらませていくことで
様々な生活のシーンが想像できるようになってきます。
都市部の狭小地では
街路樹や公園の緑、
お隣の植栽など周囲で見つけられるものは何でも利用します。
1階の窓の外の景色、2階の風景、3階の眺め、
もしかして屋上の眺望などどこにいい場所を見つけられるかにより
ずいぶん間取りも変わってきます。
南の日当たりだけを気にしていると
北側にある素敵な景色を見落としたり、
固定観念にしばられていると
眺望の良い露天風呂を実現できなかったりします。
郊外では比較的容易に周囲の緑を見つけられたり、
敷地に余裕があれば植えた木も景色に加える事ができます。
この植える木も場所を間違わなければ
道をはさんだお隣の緑や遠くに見える農家の屋敷林と繋がって
自分の景色になるかもしれません。
もしかしたら富士山をお風呂に入りながら…
なんて贅沢もあるかもしれないですね。
基本的な形が決まったら
次は空間的な計画ですが、
これは次回のお楽しみに。